当院の麻酔について

当院では、麻酔に対し以下のようなコンセプトのもとで行っています。

レーザー治療や手術の際には程度の差はあるものの、通常は何らかの痛みが生じます。事前にそれらの痛みを適切に抑え、治療前後の患者様の不安・苦痛を取り除く事で、より安心して治療を受けて頂けるだけでなく、より良い結果が得られるものと考えております。その際にはそれぞれの治療に合わせて適切な麻酔薬、麻酔方法を選択することが大切です。例えば、まぶたの手術においては開眼・閉眼を確かめながら手術を行うため意識を混濁させる麻酔は通常行いません。
安全に、そしてなるべく麻酔による苦痛を減らし、手術中にリラックスできるよう以下のような工夫を心がけています。

1. 麻酔テープを使用

透明の麻酔テープを治療目的部位に30分〜1時間事前に貼っておくことで痛みを和らげます。比較的小範囲のあざやシミのレーザー治療の治療侵襲が低い場合やヒアルロン酸注入やボトックス注射治療のように局所麻酔薬を注射すると治療部位が盛り上がり正確な治療が出来なくなる場合などに使用します。

2. 麻酔クリームを使用

高濃度リドカインクリームを治療目的部位に塗り、上からラップで覆い、30分〜1時間かけて麻酔を浸透させます。1.の場合に比べて広範囲のレーザー治療など、治療の侵襲はやや低くとも広範囲で局所麻酔注射が使用できない場合に使用します。ヒアルロン酸注入やボトックス注射治療の際にも使用することがあります。この方法は1.よりも痛みの抑える効果は強いのですが、処置が少々煩雑になります。

3. 局所麻酔

局所麻酔は(1)治療する部位に直接注射する浸潤麻酔、(2)治療する部位の感覚を司る神経を根本の方から麻酔する伝達麻酔、を行っています。
どちらの方法も注射針による刺入で麻酔薬を浸潤させながら麻酔します。注射である以上、最初に針を刺して麻酔薬を注入し始めるときは、残念ながら少し痛みを生じます。しかし痛みが出来るだけ少なくなるよう、細い針を使用し、神経、血管の解剖に留意しながら丁寧に麻酔していきますので、その後の痛みはそれほど問題にならない場合が多いです。この事により単に痛みを軽減させるだけでなく、注射針の刺入時に起こりやすい内出血の確率を下げることが可能となります。局所麻酔の注入量が多くなると腫れの原因ともなるので、注入時のテクニックに気を遣うとともに作用時間に余裕のある麻酔薬を選択することで、必要以上に局所麻酔を使わないようにも注意しております。

4. 静脈麻酔、硬膜外麻酔、全身麻酔

比較的時間の長い手術や範囲の広い手術に使用されます。申し訳ありませんが、当院ではこれらの麻酔は行っておりません。これらの麻酔が必要な場合、大学病院など適切な施設を紹介させて頂くことになります。症例によっては、紹介先の病院にて院長が執刀することが可能な場合もあります。

※なお、過去に麻酔薬によるアレルギー、ショックなどを起こされたことがある場合、必ず事前にその旨をお知らせください。