副乳(ふくにゅう)
保険診療
副乳とは?
ヒトにおいて通常では乳房は前胸部に左右一対しかありませんが、ときおり通常とは異なった場所に 乳頭・乳輪あるいは乳腺組織が存在することがあり、これを副乳といいます。これは生まれつきのものであり、左右の腕の付け根とその同じ側の足の付け根を結ぶライン(乳線:milk line)上であればどこにでも生じる可能性がありますが、腋の前の方や正常乳房の下内側に存在する場合が多いです。実際には表面が褐色のあざの様に見えたり、皮膚の下のしこりとして触れたりします。 副乳のある方は稀ではなく、左右ともにある方、 一側だけにみられる方もあり、女性、男性ともに起こり得ます。女性では生理前のホルモン分泌の多い時期(黄体期) には副乳が腫れて痛みを伴ったりすることや、妊娠授乳期では乳汁を分泌したりするような場合もあります。
腋の前縁にある副乳 |
副乳の治療は?
副乳自体は基本的には正常乳腺同様、病気が生じなければ放置しておいて大丈夫です。 ただし、わきの下にしこりがある場合に他に考えられるものとしてはリンパ腺、汗腺や皮脂腺の病気などもあり、その正確な診断は難しいので、 気になるしこりを気づかれたら、一度専門医を受診されるのが良いのではないでしょうか。治療をご希望される場合、局所麻酔下に切除することになります。その場合も副乳を切り取った部分は特殊な縫合材料と形成外科的手技を用いて傷跡が出来るだけ目立たなくなるように縫い合わせていきます。傷跡が目立たなくするためにはその後のケアも重要です。必要に応じて、飲み薬、テーピングなどの処置を続けていきます。