耳前瘻孔(じぜんろうこう)
保険診療
耳前瘻孔とは?
生まれつき存在する、耳の付け根辺りにある小さな孔のことです。その孔から耳の前付近に向かって皮下に袋がつながっていて、その中に角質(垢)が溜まっています。何事もなく経過する場合もありますが、一旦袋が化膿(感染)すると赤く腫れ、痛みや排膿を伴います。症状は投薬治療などにより治まりますが、たびたび繰り返すため手術が必要になる事が多いです。
左耳の付け根のところにある耳前瘻孔(赤く見える部分) |
耳前瘻孔の治療は?
化膿(感染)している場合
感染がある場合、膿が溜まった部分に小さく皮膚切開を加え、膿を出します。抗生物質(化膿止め)の飲み薬も処方します。その後、通院および自宅でも処置を行いながら、炎症が治まるのを待ちます。
化膿(感染)していない場合
孔の周りの皮膚を小さく含めるようにして中の袋を摘出します。その際、事前に袋の内部に色素を注入し、その色素が漏れ出さないように注意しながら袋全体を一塊として摘出することで、取り残しが無いように手術します。小さいお子さんの場合は全身麻酔で手術することが必要になりますが、それ以外の方の場合は局所麻酔で手術を行うことも可能です。