日光性色素斑(にっこうせいしきそはん)、老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)

自由診療

日光性(老人性)色素斑とは?

日光性(老人性)色素斑とは40代以降の人の顔、手の甲、腕辺りに多発することが多い褐色~濃褐色の「しみ」で老斑(ろうはん)と呼ばれることもあります(図1)。紫外線の影響で早い人は20代前半から見られることもあります。この「しみ」において、表皮の細胞は加齢や長期間に渡って繰り返し日光を浴びたことによって変化しているので、時間とともに盛り上がり、老人性のイボへと移行していくこともあります。

図1: こめかみの日光性(老人性)色素斑
日光性(老人性)色素斑の治療は?
Qスイッチレーザー

日光性(老人性)色素斑では表皮の細胞が加齢や紫外線を浴びたことにより変化しているので、治療の際にはこれらの細胞を取り除く必要があります。そのためにはQスイッチレーザー治療が一番効果的です。いわゆる光治療器(IPL)や表皮の細胞の入れ替わりを促進するトレチノインなどの塗り薬の治療では、治療回数や時間がかかる場合が多いので、当院では行っていません。 レーザー照射時の痛みを軽減させるために、皮膚表面を麻酔テープで麻酔してから施術を行います。照射後2~3日で表面に薄いカサブタが張り、7~10日ほどで取れていきます。カサブタが取れると薄ピンク色の皮膚が現れます。ただ、その後レーザー照射後の色素沈着を生じ、一時的に治療したところに元のような褐色の「シミ」の様に見えることが多いので、次に述べるような治療を併用していきます。

飲み薬

ビタミンC、Eなどの飲み薬を使います。特に紫外線の強い時期は飲み薬を続けられた方が良いようです。また肝斑を合併している方の場合、トラネキサム酸の内服することも有効です。

美白剤(塗り薬)

ハイドロキノンなどの美白剤やビタミンCローションなどを普段のスキンケアに併用することで、レーザー照射後の色素沈着を治療していきます。

レーザートーニング

別の波長のレーザーを比較的弱めの出力で同じ部位に繰り返し照射する方法を2週おきに行います。照射時に軽い痛みはありますが、照射後にテープを貼ったり、カサブタが出来たりすることがありませんので、普通の生活を送れます。この方法を併用した場合、色素沈着が早く治まる方が多いです。

イオン導入

イオン化したビタミンCなどを微弱な電流の働きを使って、皮膚の中により多く、深く送り込む治療です。実際には横になった状態で薬液を浸したガーゼを顔の上に載せ、電極をつなぎ、非常に弱い電流を流していくだけです。
施術中に少々ピリピリ感が出る場合がある以外は痛みや熱感など生じることはありません。この治療も繰り返し行う事で徐々に肌質が改善していくものです。

生活指導

サンスクリーンをこまめに使う、紫外線の強い午前10時~午後2時までの外出をなるべく避けることなどの紫外線対策がとても重要です。