日光角化症(にっこうかっかしょう)

保険診療

日光角化症(にっこうかっかしょう)とは?

日光角化症とは高齢者の頭、顔や手などに見られることが多い直径数mm~1㎝強程度の赤く、表面がガサガサした平らな病変です。角化が強いときは白っぽいカサブタのようなものがついている時もあります。これは表皮角化細胞が表皮内で異常増殖したもので、特に症状は無いことが多いですが、一部のものは何年も経過する内に有棘細胞癌に変化すると言われているので治療の適応となります。


下顎に出来た日光角化症
日光角化症の治療は?

最初に「生検」という病変部の一部を小さく切り取り、その部分だけを顕微鏡で調べる検査を行い、診断を確定した後に腫瘍全体の手術を行います。 腫瘍を外科的に切除する時は取り残しが無いように腫瘍よりも少し広めに切り取ります。腫瘍が比較的小さい場合、傷口はそのまま縫い寄せることが出来ます。しかし腫瘍が大きく、そのままでは傷口を縫い寄せられなかったり、無理矢理縫い寄せることで傷口の近くの瞼や口角などが引っ張られ、変形を生じたりするような場合は「局所皮弁」といって周りの皮膚に少し切開を加え、その部分の皮膚をずらしながら傷口を覆ったり、「植皮」といって他の部分からの皮膚で傷口を覆ったりすることもあります。いずれの場合においても、腫瘍を完全に取り切るだけでなく、術後の傷跡や変形が出来るだけ少なくすることで整容的にも十分に満足のいく結果を目指しながら計画・実行していきます。腫瘍が小さな場合は局所麻酔で手術を行うことが可能ですが、腫瘍が大きい場合は大学病院などで全身麻酔での手術が必要になる場合もあります。術後の化学療法や放射線療法などは一般的には不要です。ただし、定期的に外来で経過を観察する必要はあります。

また、最近では顔と頭皮の日光角化症に対して皮膚の局所免疫を賦活化し、自己治癒力(Natural healing)を高めて治療する塗り薬が使えるようになっておりますので、手術を行わずに治る可能性も出てきています。