脂腺母斑(しせんぼはん)

保険診療

脂腺母斑とは?

まれときから頭や顔に見られることが多い円形もしくは楕円形で白~黄色っぽい「あざ」です。頭に出来た場合、髪の毛が生えてこないためその部分だけが禿げた状態になっていることから受診されることが多いです。この「あざ」は小さい時は平らでも、成長に伴い盛り上がり、色調も褐色調になってきます。更に時間が経過すると、その部分に様々な腫瘍が発生することもあります。単なる見た目の改善だけでなく、そのような腫瘍の発生が疑われる場合にも治療の適応となります。


頬の扁平母斑(黄色に見えるところ)
頭部の扁平母斑(表面がざらついていてピンクに見えるところ):母斑のところには毛が生えない 頭の脂腺母斑に別の腫瘍(黒い部分)が発生したところ

 

脂腺母斑の治療は?

全身麻酔もしくは局所麻酔下に母斑の取り残しが無いように注意しながら切除します。病変が比較的小さい場合、傷口はそのまま縫い寄せることが出来ます。しかし病変が大きく、そのままでは傷口を縫い寄せられなかったり、無理矢理縫い寄せることで傷口の近くの瞼や口角などが引っ張られ、変形を生じたりするような場合は「局所皮弁」といって周りの皮膚に少し切開を加え、その部分の皮膚をずらしながら傷口を覆ったりすることもあります。いずれの場合においても、病変部を完全に取り切るだけでなく、術後の傷跡や変形が出来るだけ少なくすることで整容的にも十分に満足のいく結果を目指しながら計画・実行していきます。病変部が小さな場合は局所麻酔下で行うことが可能ですが、病変部が大きい場合や小さなお子さんの治療は大学病院などで全身麻酔下での手術が必要です。